滝沢農園 |
新潟こしひかり産地直送 |
お米ができるまで |
お米の農業機械 |
昔の農業機械 |
お米ができるまで畔ぬり平成21年3月5日撮影 田んぼの畔(あぜ)ぬり作業。 圃場の長さは100m、間口の幅により圃場の面積が異なります。 畔ぬり機は、時速0.5km〜0.6kmでゆっくりとした速度でぬるとしっかり締まり土崩れが少なくなります。 回転数は2000回転、PTOは1。実際の速度は、時速0.3〜0.4kmであぜ塗しています。 耕起(こうき)平成21年3月13日撮影 田んぼの表土が乾くと田んぼを耕します。田ぶち(たぁぶち)と呼んでいます。 一般的に、耕し速度はトラクターの能力にもよりますが、時速1.2km/h〜1.5km/hです。 時期的には3月末〜4月始め頃に行っており、今年は雪どけが余りにも早く、あまり遅くなると草が生え、 除草剤を使用しない方策として一般的な時期より半月以上も早くから耕します。 秋に秋ぶちし、春に早めの耕しにより田植え前は除草剤を使用していません。減農薬の方法です。 播種(はしゅ)播種(はしゅ)は、米の種まきに当ります。この作業をすじまきと呼ばれていますが・・そもそも種のまき方は、点まき(点播)、すじまき(条播)、ばらまき(散播)の3つに分類され 機械化になる前は苗代(なわしろ)で種もみをまき、苗を育てていたが、あの播種方法はばらまきに当るのだが ばらまきなのにすじまきとはこれいかに。いったい語源は何なのか? ◆ 本来すじまきとは畝幅(うねはば)、条間を決めて一直線状あるいは細い帯状に種をまく方法で 田植機の5条植えや6条植え、コンバインの3条刈や4条刈の条の文字にも使われている条播(じょうは)のこと。 直線状あるいは細い帯状になっている状態をスジ(筋または条)と呼ぶのが本来の意味で、 直線状あるいは細い帯状にまく方法をすじまきと呼ぶのが正しく、水稲の苗箱播種方法は一般にばらまきに当る。 本来は直線状にまく種まき方法をすじまきと呼ぶのが正しい。野菜の直播種まきに使われることが多い。 写真は2016年4月30日撮影の直播すじまき。8条の条播(じょうは)。これがすじまき(条まき、筋まき)。 ◆ 我々が言うすじまきは新潟平野部地域より南の下越南・中越・上越で呼ばれ、 阿賀野川流域以北の横越・五泉・阿賀野・聖篭・新発田・岩船・村上地域ではすずまきと呼ばれており 語源は「種子まき(しゅしまき)」がなまったものだとか。 種もみは種籾と書き、「種子(しゅし)」がなまって「すず」と呼ばれているらしい。 まさにズーズー弁の岩船北蒲原方言地域と一致しているが特徴です。 ズーズー弁の人に「種子(しゅし)」と発音してもらうとそう聞こえるかも。 ◆ しかし、一つ仮名弁(北越方言の岩船北蒲原方言)で検証してみると「しゅしまき」の「しゅ」が「す」、 「し」が「す」と変化し「すすまき」になるはずですずまきにはならない。 つまり、「種子(しゅし)」がなまったのじゃなくて、すじまきがなまってすずまき。 すじまきがすずまきと変化するのなら岩船北蒲原方言であっている。 「じ」が「ず」に変化するが「し」と「じ」は区別して発音される。わかるかな? 岩船北蒲原方言「じ」⇒ず、「し」⇒す、「しゅ」⇒す、に変化する。 習字(しゅーじ)⇒すーず 種子(しゅし)⇒すす 寿司(すし)⇒すす ししがつく(体の肉がつくの意)⇒すすがつく ◆ ならばすじまきを陸稲種まき同様の呼び方として使われている可能性が高い。 つまり、「すじ状にまく」がいつの間にか「すじをまく」に言葉の意味を変えてしまい、 いつしか籾が筋になってしまっている気がする。意味を履き違えて使われている気がする。 日本作物学会の書籍には、種籾が「すじ」とは書いてありません。籾(もみ)はすじ(筋/条)ではありません。 おそらくほとんどの農家が間違った使い方をされていると思います。 種をまくことは種まきや播種(はしゅ)と呼び、そのまき方のひとつにすじまきがあります。 野菜農家の人はご存じのはずだと思いますが。 ◆ ばらまきなのに何故すじまきと呼ばれているのか? <日本の「農」を拓いた先人たち「それでも稚苗は育つ」−水稲室内育苗の誕生(2)−> ここに昭和33年頃の長野県飯山試験場での松田順次技師による研究方法が紹介されています。 『育苗箱に新聞紙を折り込み、条に仕切った床土の上に種子をまく』 条に仕切ったまき方がすじまきに当ると思われますが、 昭和5年生まれのうちの母が言うには、苗代でのすじまきと呼ばれていたのは昔からだそうです。 ◆ 播種の前に、種もみの種子消毒を行います。 平成21年度産の播種作業を4月9日と10日に行いました。 作業機械の詳細農業機械ページと合わせてご覧ください。右は、床土状況です。 種もみは、1箱当り130gにセットしてあります。 種まきの分類上、これはばらまきです。でも何故かすじまきと呼ばれています。未だに謎です。 全国的にはもみまきや種まきと呼ばれているようです。 すじまきと呼ばれているのは新潟と長野県北部のようです。 覆土を入れ、受け取り手に流れます。各農家が各自で自分の家のハウスに運搬します。 ◆ ばらまきなのに何故すじまきと呼ばれているのか? (2020年4月11日撮影、播種機回転部の種もみおちかた量調整中) 播種機の回転式ローラー部が横方向に列(筋状)になっている。この穴の部分に種もみが入り コンベアに流れてくるへぎ(床土の上)に種もみが落ちる仕組みです。 回転式ローラーの速度をかなり遅くすると、種もみが筋状にまかれたような感じになり 通常のばらまきのような感じにするには、回転式ローラーの回転速度をあげて調節します。 何が語源なのか未だに不明ですが、機械的には筋状の回転式ローラーということになりそうです。 育苗(いくびょう)平成21年4月9日撮影 苗を育てる事を育苗と言います。 我が家では、巨峰畑の隣に育苗専用のハウスがあります。約900枚の苗を育てられる面積です。 3月のぶどう被覆と一緒にここも被覆し、播種前日までに、地面を平らにし、プール栽培用に農ポリを敷き詰めます。 プール栽培とは、常に苗に水が行き渡るようにし、苗の根をしっかりはらせるために効率の良い方法です。 平成21年4月10日撮影 4月9日に播種し、ハウスに運びました。 1枚ずつ敷き詰め、芽が出るまで保温と保水のために、白いポリトウをかぶせます。 約7日〜10日後には芽が出てくるでしょう。 育苗初期段階のハウス内の温度は、芽が出るまで日中は、25℃〜30℃になるように調整します。 ◆ 23年の作付は、コシヒカリBLが350アール、こしいぶきが70アール、 育苗枚数は、コシヒカリBLが620枚、こしいぶきが150枚。 育苗枚数を決める目安としては、コシヒカリBLは17〜18枚/反と予備枚数、こしいぶきが20枚/反と予備枚数。 50株用田植え機での育苗枚数です。 平成21年4月18日撮影 芽が出揃い白いポリトウをはぎました。 この時期の事を育苗緑化期と呼んでいます。 ここで補水します。全体に行き渡るようにプールに水を流し込みます。 まだ田んぼの水がきておりませんので水道の水です。 ハウス内の温度は、日中で25℃〜28℃に調節します。 平成21年4月23日撮影 播種より約2週間たった状況です。 この時期の事を育苗硬化期と呼んでいます。 ハウス内の温度は、除々に常温に慣らすため、日中で15℃〜20℃に調節します。 この時期より田んぼでは、代かきが始まります。 平成21年4月29日撮影 田植え寸前です。 苗の葉数で3枚目が出掛かり、平均2.5枚となると田植えの適期です。 葉数で3枚目となるとモミの持つ貯蔵養分を使い果て、田植え後の生育に甚大な影響を及ぼす恐れがあるため、 まだ貯蔵養分のあるうちに田んぼへ移植してやります。これが田植えです。 肥料まき平成21年4月11日撮影 田んぼの元肥をまきました。 肥料は多くまきすぎると稲の窒素成分が高くなり、稲の倒伏につながります。 機械で施肥する場合は、少し足りない程度にしないと後で後悔する事になってしまいます。 トラクターの速度とブロードカスタの開度により、1発勝負です。 単に機械に乗っているのではなく、頭の回転と運転技術がないと、なかなかうまくはいきません。 代かき平成21年4月24日撮影 4月22日から田んぼに水を張り、23日から代かきを始めました。 作業機械は、代かき用サイバーハローで、幅2.8mです。 代かきは、1回目に荒代(あらじろ)と呼んでいますが、サッとかき回します。 数日後に水が少しの状態になったら仕上げ代かきをします。 右の写真はトラクターの運転席です。滅多にお目にかかれない事でしょう。 メーターはエンジンの回転数です。2400〜2500回転です。 左のランプは、AD倍速ターンと言って、ターンの際にハンドルを切ると、作業機械が自動的に上り (右側の緑ランプのオート)、後輪片側のロックがかかりクラッチを踏む事なくターンできる機能です。 ターン後に作業機械を下ろす時は、ハンドル右側の細いレバーを下向きに押すだけです。 ハンドル右側のレバーは、エンジンの回転数を操作するレバーです。 ハンドル左側のレバーは、前進・後進レバーです。速度の調節は、シートの左側にあります。(写真では見えません。) ◆ 右側の緑ランプは水平機能(モンロー機能)で、モンローウォークのマリリンモンローから来ている機能です。 右側の赤ランプは、バックアップ機能で、バックする時に自動的に作業機械がアップし、破損事故を防ぐ機能です。 1回目の代かきは、時速2.0km/h位です。 平成21年4月29日撮影 代かき完了。2回目の仕上げ代かきが完了しました。 さすがに、4.5ヘクタールともなれば、水の管理をしながら1週間トラクターに乗り、 田めぐりと呼んでいる田んぼの巡回には苦労します。代かきテクニックは、 トラクターで耕す代かき効率のよい方法へどうぞ。 田植え平成21年5月1日撮影 田植えをしました。 苗の運搬には専用の枠があり、トラックに4本並べ、1本につき各15枚づつ、合計で60枚の苗を運びます。 我が家ではトラックが2台あり(8本=120枚分)、ピストン輸送します。田植機に乗っている私には休む時間がありません。 田植機は6条植えです。この写真ではわかりにくいですが、 左右にマーカー(赤いもので回転式のラインマーカー)があり、 これが次の植えるセンターラインのマーキングをしてくれるものです。 田植機の後部に取り付けてあるのは、田植え後に除草剤散布を行うものを、田植えと同時にできる機械で、 イノーベータ―と言う除草剤散布専用の機具です。仕組みは、苗台が移動するごとにセンサーが作動し、 イノーベータ―の羽根が回転し、除草剤を2〜3M飛ばしてくれるものです。1反で1キロづつ散布します。 田植機から見た状況です。田植機のセンターポールとマーカーラインを合わせます。 運転手になったつもりで前だけ見てください。振り向いてはいけません。 苗を植えた所が曲がってしまいますよ。植え付けは、坪当り50株にセットしてあります。 田植え:手植え(失せ植え)田植機での植え残しや欠株となったところを手植え(補植)します。失せ植え(うせうえ)と呼びます。あるはずのものがないことを失せると言います。 これが語源で、失せた苗を植えるで失せ植えです。「うすうえ」は間違った呼び方で、そう聞こえるだけです。 稲の生育平成21年5月23日撮影 田植えから約3週間経過しました。稲は15センチ程に成長しました。 田んぼの中をのぞくと、小さなおたまじゃくしがたくさん泳いでいました。 ◆ 【マメ知識】稲は、暖かい水で生育します。広告などでは、「山の水が冷たく、おいしいお米ができる」 などと出されているところを見かけますが、これは全くの誤解です。 稲の生育管理は、朝のうちに水を引き込み、日中の温度で水が暖かくなり稲が生育します。 冷たい水ばかり与えていると稲は生育しません。 稲刈り時になるとその差が一目瞭然、水口近くは稲が青々しています。 中干し(なかほし)平成21年6月12日撮影 田植えから1ヶ月経過しました。 この時期に実施されるのが、中干しと溝切りです。6月10日から田んぼの水を落としました。 新潟地域振興局の農家だよりによれば、中干しは倒伏軽減につながり、下位節間の伸長を抑制し、 また穂数やもみ数過剰になると乳心白粒や未熟粒も発生しやすくなるため、 時期を逃さず実施する事とあり、概ね田植え後1ヶ月が目安となります。 ◆ 中干しは田面に小さなヒビが入り、軽く足跡がつく程度まで地面が固くなるまで行います。 これから梅雨時になるため、かなりの日数がかかる年もあります。 平成21年6月17日撮影 中干し1週間の状況です。田面にヒビが入り、歩いて足跡が少しつく程度です。 この段階になったら、間断かん水に切り替えます。 2日間水を入れ、3日間落とし、3日以上水を入れないで乾かしすぎないようにします。 中干し後は、急に水をためると、根くされの原因となるため、間断かん水で、 根への酸素供給を意識した水管理の方法です。 《資料 新潟地域振興局の「農家だより」より》 平成21年6月26日撮影 稲は約30センチくらいに成長しました。 田んぼの稲の間が遠めから見えなくなってきました。稲の葉の色も少しさめてきたようです。 穂肥4月に撒いた元肥が稲によって吸収され、土壌の栄養が切れ始め、徐々に稲が黄色くなってきます。稲がお米となるまでに必要とされる養分を、補充してやらなくてはなりません。 新潟地域振興局の農家だよりによれば、7月20日前後が、 稲の生育状況に合わせて穂肥の実施時期であるとの事でした。 1回目を7月13日〜14日に、2回目を7月24日〜25日ころに施肥しました。 この頃より(出穂18日前から)の水管理は、一般には花水と言われている飽水管理に移行します。 無人ヘリ防除開花期直前に無人ヘリ防除が行われます。お米(こしひかりBL)の花平成21年8月3日撮影 お米の花が咲き始めています。稲の背高は、足の長さくらいに成長しました。 お米の花は午前中に咲き、自家受粉し、お昼頃になると閉じてしまいます。 平年ですと、この時期の最高気温は、30℃を越える事が多いのですが、今年はまだ梅雨も明けず、 最高気温が28℃前後である事から今後の生育が遅れるのではと心配されます。 コシヒカリの花の拡大写真は、阿賀野市アグリサポートの新潟コシヒカリの花へどうぞ。 こちらでは、詳細な開花時の拡大写真が掲載されています。 稲刈り平成21年9月6日 早稲品種のこしいぶきの稲刈りをしました。 平成23年の刈り取り適期は、新潟地域振興局の農家だよりによれば、こしいぶきは9月3日前後、 こしひかりBLは9月13〜15日前後ということです。 左の写真は、サイドミラーで脱穀を目視できるものを撮影しましたが、余りにも小さく判りずらいかと思います。 稲刈り最中に、黒い群集(ハシブトカラス)がぶきみな程、やってきました。50〜60羽くらいの群れでした。 稲刈り作業は、農業機械をご覧ください。 稲刈り後の土づくり平成21年9月26日撮影 新潟地域振興局の農家だよりよれば、稲わらすき込みによる効果として、 化学肥料の低減による低コスト栽培が可能と題して、すき込まれた稲わら・もみ殻が土壌中に蓄積され、 毎年続けることで地力が高まり、稲が養分や水分を有効に利用できる良好な土となります。 すき込み時期は、地温が15℃以上ある早い時期に実施することが有機物を分解する微生物の活動時期であり、 地温が15℃以下になると分解が進まず翌春のワキ発生の原因となるそうです。 環境にやさしい新潟米を是非どうぞ。 |
滝沢農園トップへ このページ先頭に戻る 新潟こしひかりBL産地直送 新潟白根の滝沢農園滝沢直紀 |