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ぶどう・梨 | デラウェアの栽培方法 |
デラウェアのジベレリン処理適期 |
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ぶどう(デラウェア)の栽培方法デラウェア ハウス張りいよいよ初春の候となり、雪どけを待って、早速デラウェアハウスの被覆作業を開始しました。 平成21年2月24日撮影 朝から無風状態で絶好のハウス被覆日和となりました。 このハウスは面積16アールあります。家族で被覆作業を行ます。例年ですと3日〜4日間ほどかかります。 初日で13アールもできたのは過去最高です。午後になり雨が降り出したため、14時半で中止しました。 夕方まで雨が降らなければ完成したのにと、とても残念です。 平成21年3月1日撮影 被覆材は農ポリで、ハウス寸法により特注の厚み0.1cm仕様です。 ハウスの天井にある換気口は、ハウス内の温度調節をするための設備です。 ここの細かな細工を施し、ハウスが完成しました。 日差しがある日のハウス内の温度は、高温を避け、25℃前後に保つために、換気窓の開閉で温度調節します。 地上からハンドルを回します。ハウスの設計・施工・組立は、私が行いました。 デラウェアの生育平成21年4月6日撮影 ハウス被覆後、約1ヶ月が経過しました。 3月末頃より発芽期を向え、いよいよ展葉期に差し掛かりました。 葉が出てくる事を展葉(てんよう)すると言います。 10円玉くらいの大きさになると、1枚・2枚と数えます。現在は、2枚見えているところです。 平成21年4月11日撮影 ここ4〜5日の天候が初夏と思えるほどの暖かさで、植物の生育もスピードを増してきました。 ぶどうの房も見えてきました。5葉〜6葉です。 先端から2番目の新梢(しんしょう)を基準に生育を語る事が一般的です。 デラウェアは1房目の葉を3枚目、2房目の葉を4枚目と数えます。 これは、付け根のところにあった副芽を欠いた事により、1枚目の葉がなくなった事によります。 もう少し成長してから行う作業ですが、この1房目のぶどうは欠いてやります。2房目と3房目を使います。 平成21年4月20日撮影 展葉期の8葉〜9葉になると、1房目を欠き、2房目と3房目の肩を欠き、4房目より先も欠きます。 この作業を肩切りと呼んでいます。1新梢に2房つけます。 ジベレリン処理 1回目平成21年4月25日撮影 いよいよ1回目のジベレリン処理の適期です。 写真のようにデラウェアの房が、エビのように反ってきます。 房が少し青みがなくなり黄色くなり始めの頃が、1回目のジベレリン処理の適期です。 新潟県内この地域では、葉数が、約10枚(おおむね10〜11枚)になった時です。 ◆ 新潟農業振興事務所(新潟農業普及指導センター)の資料(デラウェアのジベレリン処理指導会用)によれば、 花蕾重(からいじゅう)と花冠長(かかんちょう)と葉数で概ね適期時期を予測できます。 ぶどうのつぼみの一つ一つを花蕾(からい)と言いますが、 この重さが花蕾重(からいじゅう)で、180mg〜185mgの時です。 また、つぼみの長さを花冠長(かかんちょう)と言います。これが1.75mm〜1.80mmの時です。 ただしこの計測は専門機関でないと精密機械がないもので、 新潟農業振興事務所が採取して調査して適期を予測していただいております。 葉数では、10枚〜11枚となっておりますが、ハウスデラウェアの場合は、 葉数よりもつぼみのほうの成長が進み、0.5枚ほど葉数が少ない状況のようです。 もっと詳しくは、デラウェアのジベレリン処理適期へどうぞ。 1回目のジベレリン処理は、おしべの花粉をなくするために行うもので、種なしぶどうにするためのホルモン剤です。 これを行わないと種有りぶどうとなります。 濃度は100PPMです。箱に入っている錠剤(8ヶで2リットル)で水に溶かします。 ◆ また右側にある薬剤がフルメットです。こちらはジベレリンに加用し、着粒安定のためのホルモン剤です。 濃度は各農家によって、また処理時期により多少変更したりできますが、 おおよそ0.8PPM〜1.5PPMで使われるようです。 ジベレリン処理の適期よりも早くしたい場合によく使われます。 デラウェアの花平成21年4月30日撮影 開花状況 4月25日の1回目のジベレリン処理後、低温の日(最高気温15℃以下)が2〜3日あり開花が遅れました。 通常ですと処理後4日〜5日で花を見ますが、本日処理後5日目で開花です。 ぶどうの花はキャップが持ち上がる格好で咲きます。既に花粉をなくする処理をしており受粉はしません。 これで、ほっと安心と言ったところですが、ハウス内の温度は、日中で25℃〜28℃がベスト、 夜間は12℃〜15℃がベストです。なかなかうまくはいきません。 また、ジベレリン処理後は湿度を保ち、乾燥させない事が肝心です。 これはジベレリンの吸収を良くするために、たっぷり灌水させる事が大事です。 ぶどうの花蕾(からい)は帽子のようなキャップをかぶっており、 開花はこのキャップを脱帽する形でめしべとおしべが顔を出します。 おしべは5本程度あり、真中がめしべです。このめしべが大きくなり粒になります。 キャップは脱帽が終ると不要となり、栄養が行かなくなって茶色に変色し、花カスになります。 またこの花カスが落ちてくれると良いのですが、これがいつまでも着いているとぶどうの病気の発生源や 2回目のジベレリン処理後のジベ焼け(ジベレリンにより粒にリング状の模様ができる)の原因となります。 ハウスの場合は雨が当らない為、なかなか自然に落ちてくれません。 そこで人工的に除去してやる事になります。除去方法は農家の人によって様々です。 平成21年5月3日撮影 デラウェアの満開状況です。 5月5日にはほぼ園内が満開(8割開花)となりました。粒が膨らんでくるまで、しばしお待ちです。 ジベレリン処理 2回目平成21年5月20日撮影 ジベレリン2回目の処理を行いました。 2回目のジベレリン処理は粒を肥大させる為に行うものです。 濃度は100PPMで単用です。使用している器具は、らくらくカップで、2回目ジベレリン処理専用機具です。 こぼれ落ちる液が機具に回収され、無駄なく使用できます。乾電池式電源です。 2回目は1回目と異なり、ぶどうの軸からジベレリンが吸収され粒が肥大します。 霧状になって軸にかかれば言い訳で、カップ使用よりも数倍早く作業ができます。 また、急激に乾くと粒にリング状のジベ焼けとなったり、 余り乾かないとこれもまたジベ焼けとなったりしますので、条件の良い日を選んで行うようにしています。 摘粒(てきりゅう)平成21年5月30日撮影 粒の多く結実した房を中心に摘粒(てきりゅう)を行います。 粒が外側に向いている粒を実らせ、内側に入っている粒を摘んでやります。 最終段階の房の大きさと粒の大きさを想像して、過多にならないように調整してやります。 写真では少しわかりにくいかと思いますが、葉の茎が少し薄いピンク色をしています。 これはアントシアニンと呼ばれる植物の持つ色素の現れで、 この色が見えればぶどうは正常に生育している目印となります。 葉の茎が緑色のものは、日当たりが悪かったり、生育がまだ進んでいなかったりする事が考えられます。 携帯電話の受信電波に例えるなら、“3本たってますよ”と言ったような事が、 このアントシアニンと呼ばれる色素の現れで見てとれます。 デラウェアの着色期平成21年6月14日撮影 ハウスデラウェアが着色を開始しました。例年通り着色が一番早い樹です。 着色開始は当園では過去10年間のデータより満開期から42〜43日後です。 ぼんやりと透き通った感じで、薄っすらと色が見えました。まだまだ摘粒中でして、根気のいる作業です。 平成24年6月30日撮影のデラウェア。着色は、全体的に色が入るのではなく、ポツンと数粒が先に着色を始めます。 ぶどうの一番甘い粒は、房の一番上の粒です。 一番房尻の粒が基準糖度(糖度18度以上)に達した時に出荷可能となります。 左は平成21年7月12日撮影 右は平成20年7月13日撮影 デラウェアの剪定平成20年11月2日撮影 |
ハウスデラウェアの最大の敵はハダニデラウェアのハウス栽培(雨よけ含む)の場合、雨にあたらない利点がある反面、これによりハダニ類の生息の地となってしまいます。 露地栽培の場合は雨によりハダニが振り落とされる事もあります。 ◆ ハダニはそもそも地面の草の中に生息します。 これが木によじ登り、葉の葉緑素を食べて生き延びるため、葉緑素を失った葉は光合成の機能を果たせず、 実っているデラウェアは着色不良となってしまいます。 葉の裏側が何となく透き通り、黄色く感じたらすでに遅しです。 ◆ このハダニ類が近づかないように防除をします。主な防除の登録薬剤は ダニトロンフロアブルなど なお使用頻度や希釈倍数、使用時期(収穫前日数)などをお調べの上、ご使用ください。 |
新潟白根の滝沢農園滝沢直紀 |